8月10日(日)

 


 3度目の八郎潟遠征なのだ。1度目は2年前の夏、北海道放浪の旅の帰り道に立ち寄った2泊3日。2度目は昨年のGWの3泊4日。今年は仕事の都合で2週間ちょっとの夏休みが取れたので、長い遠征を計画した。

 1度目は一人で、2度目は3人で、今回ははじめは2人だが途中から一人になる。同行するのは友人Ny。残念ながらNyにはほとんど運転を期待できないため、自分ひとりで秋田までの長距離運転をするつもりでいた。

 金曜の夜から出発しようと思っていたのだが、あいにく季節はずれの大型台風上陸とバッティング。テレビで台風情報を見ながら、出発を延期することに決めて、土曜の昼過ぎまでゆっくり寝て体力を蓄えた。

 なんとか雨が上がった土曜の夕方から活動開始。荷物を積み込み、いざ出発。あちこちで買い物に寄っているとすっかり遅い時間になっていた。

 東京西部の郊外から一般道を走り国道298号から国道122号へ。できるだけ高速料金を節約しようと東北道の岩槻ICのゲートをくぐったのが土曜夜の23:30。

 思ったよりも車が多い東北道をひたすら北上した。ラジオでニュースを聞くと、台風10号は本州を抜けつつあり、北海道へ上陸するとか。この時期に本州上陸する台風も珍しいが、北海道に上陸するのはさらに珍しい。

 たまにトイレ休憩する程度で、なんとか岩手県入り。北上JCTから分岐して秋田道へ。秋田県に入って、西仙北SAで休憩していると、どんより曇った朝を迎えた。

 東京から約7時間。600kmの道のりを一人で運転していると、いくら運転が好きな自分でもさすがに疲れてきた。

 このまま、八郎潟へ行っても大雨による増水と濁りがきつくて釣りにならないだろうし、キャンプ場へ行ってもぬかるんだ地面にテントを設営するのは避けたいので少しでも乾いた後にしたかった。そこで八郎潟最寄の昭和男鹿ICよりも手前にある秋田南ICで高速を降りて、秋田港へ向かうことにした。

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土曜の夕方の台風通過直後、自宅近くのホームセンター駐車場から見えた

なんと二重になっていた。
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日曜早朝、秋田道の西仙北SA。

どんよりと曇った空。台風一過の快晴にならないのが心配。
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秋田市内にある秋田運河の勝平新橋、橋脚付近。秋田運河は雄物川から分流して秋田港へ注ぐ。

Webの情報でシーバスがよく釣れる運河だと知ったので様子見に行ってみた。当然のごとく大増水中で、釣れそう感じがまったくしない。

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とりあえず休憩もかねて秋田港へ。昔は土崎港と呼ばれていたらしい。

後ろは「セリオン」という展望タワー。その手前のガラス張りの建物は「セリオンリスタ」という屋内緑地公園。さらに隣りのセリオンプラザにもトイレがあるので便利。
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駐車場そばの岸壁からエサ釣りしてる人を数多く見かけた。すぐそばまで車を寄せられるので便利のようだ。

後ろに見える大型フェリーは、苫小牧・秋田・新潟・敦賀を結ぶ新日本海フェリー
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近くの釣り具店で買ってきたサビキセットとアミサビキ。

エサ釣りの人を見ていたらけっこう釣れていたので、ボクらもやろうということになったのだ。

ボクの使ったサビキ針は昼用、Nyのは昼夜オールラウンド用。ここが釣果の分かれ目となった。
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サビキ釣りなんてやったことなかったから、本当に釣れるんかいなと思っていたら、すぐに釣れた。

15cmほどのゴマサバの子供。まわりの人たちもこれが釣れていた。

手洗い兼魚入れ用として、バケツを買っておいて良かった。
仕掛け(ルアーフィッシングならリグと呼ぶが)はこれ。

大きめの玉型浮き、上かご、サビキ針、ナス型オモリ。この仕掛けを海用投げ竿と安物リールで。
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昼寝含めて3時間ほどで2人の釣果はこれだけ。最大で16cmのゴマサバ。

Nyが2尾、あとはボクが釣った魚。昼用のサビキ針が良かったのかも。

右に見える小さいのはイワシか?左は何かの稚魚らしいが不明。
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日本海に沿って北上し、男鹿方面へ。

海の向こうに見えるのが日本海に突き出た男鹿半島。目的地はその付け根あたりにある。
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秋田市内から1時間弱。八郎潟の中にある大潟村「南の池公園」に到着。ここがボクらの宿泊地。

今年もお世話になります。

左に見えるのが炊事場。水道の洗い場がある上、薪や炭が使えるカマドもある。灯かりも点くし、コンセントが使える。
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すでに何張りもテントがあった。

この場所にこのテントの数は…。2年前のちょうど同じ時期に、学生20人くらいのグループと出合った時の光景と似ている。まさか…。

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しつこいくらいにテントを張る場所を考えた結果、ここに決めた。

長い日数の滞在だし、タープもあるので、しっかり考えて位置決めした。

地面が平らで、ロープを張るスペースがありながらも、洗濯物を干す樹木があり、上方に木の葉が少ないのが好都合なのだ。
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やっとテントサイトの設営が完了。

午後の優しい木漏れ日の中。いい感じになった。

テントの上に張ってある布をタープ(天幕)と呼ぶ。今回の遠征のために買ってきたばかり。
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タープはイスやテーブルの上に張るのが一般的で、通常はテントの上には張らない。

しかし、テントが安物で雨漏りするため雨対策。さらに、UVカット効果もあるタープなのでテントをメッシュ地だけにすれば涼しく昼寝もできるのだ。一工夫して後ろ側をわざと下げた。前を下げると出入りしにくい。
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後ろを下げたのは、こうすればタープがテントに近くなって雨と風に強くなるため。

支柱の一番下を折り曲げて、通常3本のところを2本だけ使ってある。

※ちなみに、雨対策といってもただ雨が当たらないのではなく、タープがあれば蒸し暑い雨の夜でもフライシートなしで快適に過ごすことができる。
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さらに、今回の秘密兵器。

エアーベッド。それもWサイズ。深夜の通販番組のアレのさらに安物。

テントの床の8割をこの快適ベッドが占める。
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「家」ができたので、夕まずめを狙って釣行に出かけた。

昨年GWに実績があり、キャンプ地からも近い西部承水路のポンプ場水門。

場所はたぶんこのあたり
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足場のいいところから、アシ原の沖側を狙えるため、八郎潟ではこういった水門がポイントとなる。

しかし・・・。
暗くなるまでガンバったが釣れず。ハチローバスとは出会えなかった。

【本日の釣果】
秋田港(ゴマサバ)…5尾
八郎潟西部承水路の水門…0尾


 西部承水路のポンプ場のある水門で釣れなかったのは非常に悔しかった。昨年のゴールデンウィークには短時間でわりと簡単に釣れた場所だったのだが。車を停める空きスペースも近くにあるし、沖には水質浄化システムが動いているし、キャンプ地から近いしとても便利な場所だったのだが。

 どうも水が悪かったような気がした。台風直撃の直後のせいというより、夏の八郎潟ではどうしても水の流れが少ない場所では酸素量の少ない、つまり魚たちが住みにくい水質になってしまうらしい。

 またこの水門近辺のアシは、ここから狙う陸っぱりバサーたちが多くて、バスが寄り付かなくなってしまったか、夕マズメでもアシの奥深くに隠れてしまっているのだろう。

 このあと近く(つまりキャンプ地からも近い)の温泉施設「ポルダー潟の湯」へ行って、ゆったりと疲れを癒した。ここは「財団法人 大潟村観光物産振興公社」が経営する温泉保養センターだけあって値段が安く(300円)、そのわりに設備が充実していて、ソファーで牛乳飲みながら新聞を読むこともできる。ただ、露天風呂がないのと、洗い場の蛇口やシャワーから一度に出る湯量が少ないため何度もボタンを押さなくてはならないのが面倒。

 キャンプ地に戻ったあと、晩ご飯に何を食べたか忘れた。

 テントの中を占めているエアーベッドには大きな問題があった。ちゃんと膨らめば非常に快適なはずなのだが。車のシガーソケット電源を使うポンプを別に買ったため、車のそばで空気を入れて、膨らましてからテントまで運んだ。しかし、テントの入り口が小さくてベッドが入らなかったのだ。買うときになぜ気づかなかったのだろう

 仕方がないから、いったん三分の一ほど空気を抜いて全体を折り曲げてテントの入り口から押し込み、テント内で窮屈な体勢になりながら口で空気を入れたのだ。そのため、圧力に負けてあまり空気を入れられず軟らかいベッドになってしまったのだ。

 さらにもうひとつ難点があった。テントの床は縦横200cmと明記されていたが実際は190cmくらい。ボクの身長は175cm。テントの壁面は上に向かって狭くなっているせいで、ベッドの上では足と頭がテントの布に着いてしまうのだ。つまりテントがちょっと狭い。というよりベッドがデカ過ぎなのだ。

 安物だから仕方ない。エアーベッドはWサイズなのに2500円くらい。ポンプが1200円。

  さらにタープ(六角形なのでヘキサタープという)も安かった。2500円くらい。本当にUVカット効果があるのか疑わしい。

 もっと云えば、テントは3980円で買って、もう4年以上も使っている。十分すぎるくらいに原価償却しまくっているが、それでも使えるのだ。雨が降らなければ。

 とにかく、寝ることにした。意外なことに夜になると寒い。半そでのTシャツしか持ってきてないことを後悔した。テントにフライシートをかけてテント内でちょうどいいくらいの気温だった。さすがに秋田は涼しいと実感。

 遠征初日の夜はムリな長距離運転で疲れているはずなのに、新しい「家」に緊張してか、なかなか寝付けなかった。


【翌日へ】

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