8月12日(火)

 


 今朝は曇っているものの、雨は降らなかった。

 なんとか早起きできたので、明け方からあちこち向かうも釣れず

 7時頃、Baチームと合流した。八郎潟の流入河川のひとつ、北部にある三種川の河口。 昨日はこのあたりで釣れたとか。

 昨日の実績ポイントを試したりもしたが、誰も釣れない。こんな感じで水が悪い場合は、一箇所で粘るよりもランガン(Run&Gun:移動しては釣りの繰り返し)すべきだろうということで、移動。

 八郎潟・東部承水路の外側を北から南下しつつ、良さそうな流れ込みや小川があると試した。それでも誰も釣れず。さらに東部承水路にかかる新生大橋周辺で試すと、Ba氏にヒットしたがバレてしまった。今度は内側を南下して、各地のポンプ水門を見ていったが、どこも人がいてダメだった。

 昼過ぎ。ここで別れて、午後はそれぞれ探そうということになった。

 ボクらはいったん西部承水路の北部に見つけた水門を試すが、まったく反応なし。それでもしつこくランガンを続けた。八郎潟を出て、南東部にある流入河川の妹川の中流域まで行ったり。それでも釣れない

 ボクはもうどこへ行ったらいいかさっぱり判らなくなっていた。そこで違った角度からポイント選びをすることにした。ボクが考えたり聞いてきたポイントを試すことから離れるのだ。

 Nyにポイントマップを見せ、まったくのカンでもいい、どこでもいいから良さそうな場所を決めてもらった。Nyはボクよりもバス釣り経験が少なく、また八郎潟のことも知らない。それでも何か違ったアプローチに頼ってみたかったのだ。

 Nyが選んだのは、八郎潟南部の残存湖(調整池)南側にある「塩口船溜まり」と書かれていたポイントだった。

 行ってみると非常に細い川が残存湖へ続いていて、その途中から川が太くなると同時に漁業関係の小屋が立ち並び漁船が数多く停泊していた。

 川を河口へ向かう途中、道を歩いている子猫を発見。とても小さくかわいかった。わんこにゃんこが大好きなNyはすぐに車を飛び降り、子猫を追いかけて行った。しかし人にはなついておらず、逃げてしまったようだった。

 河口部に陸っぱりしやすい場所を見つけて釣行をはじめると、Nyはさっきの子猫を探しに行ってしまった。

 実は釣行前にネコを見ると釣れる、というジンクスが最近できた。少し前に、千葉・南房総の佐久間ダムで子猫と遊んだ翌日にはじめての50upをあげ、またその前にもネコを見てから釣れた時があったのだ。さて・・・

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三種川河口の西側周辺。

さっぱり反応なし。

まだ水が悪いらしい。
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西部承水路の北部の、とある水門。

まったく反応なし。
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南西にある豊川の中流域。

護岸をよじ登ったら、ウエストバックだけが転がり落ちた。幸いにも水没にはいたらず。

もちろん釣れず。

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塩口船溜まりの上流側風景。要は川の漁港。

漁船がたくさんあって、関連の小屋が立ち並ぶ。

たぶんこのあたり
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その下流側風景。

もうすぐそばが八郎潟残存湖に注ぐ河口。

今までよりも水がきれいな気がした。ネコにも遭ったし。
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ついにキターッ!

今年初のハチローバス!

32cmとアベレージサイズ。でもさずがにハチローバスは体高があってスタイルがいい。

Nyに電話すると走って戻ってきて、久々のバスと対面していた。
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続けて釣れた。2尾目。

30cm弱。

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どちらもこれ。SAWAMURA・スイミーバレット、ノーシンカー。


 なんとなく、わかった気がした。

 ここには水草があるのだ。それも、手折るとパキパキっと生きた音のする水草がたくさんある。つまりここは水がいいから釣れるのだ。目の前にはレンタルボート屋の桟橋があり、ほかにもバサーが来ていて、どうみてもスレていそうなポイントなのだが、ほかが水が悪いためにバスが集まっているのだろう。

 子猫を見つけられないまま戻ってきたNyは、ボクが釣ったのを見てがぜん、やる気になっていたがなかなか釣れないでいた。

 ボクばかりが釣れてしまうと、だんだん機嫌が悪くなり、しまいには泣き出してしまう。

 そこをなんとかなだめたりアドバイスしたりして応援していると、やっと釣れた。久々に釣れたことで、嬉し泣きをしながらバスを手に持っていた。

 ボクはというと、パターンが読めたようだった。河口湖のスレたバスでも、ウィード(水草の総称)にひっかけてプツンと外した瞬間にパクッとくると聞いたことがあった。そんな感じでワームが水草にからんだ感触とそこから外れた感触を集中して感じとっていると、バスのアタリがわかるようになった。

 そして、「ネコを見ると釣れる」というジンクスが見事に当たった。

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拾ったストレート系ワームをスプリットショットで。

ウィードにからむことを考えて長さを、そして引いても水面に上がらないようスプリットを、と考えた。

以後このリグで功を奏した。

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3尾目。

35cmくらい。
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4尾目。

同じく35cmくらい。
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5尾目。

20cm台前半。
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6尾目。むむっ、少し重い。

40cm弱。
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7尾目。

これは重いぞ!
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これはと思ってしっかり計測してみると、なんと44cm

7尾目にして、やっと大物と出会えた!
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ちょうど同じタイミングでNyもいいカタを釣り上げていたので、2本持ち。

トーナメンターが壇上でやっている姿みたいで、ちょっとウレシイ。


 この場所は船溜まりの河口であり、目の前がレンタルボート屋の桟橋ということで、夕方になると次々に漁船やアルミボートが帰ってきた。その度に波が立つので釣りを中断させられた。でもそんなことまったく気にしないほど、気持ちよく釣れた。

 だんだん夕暮れが近づいてくると、いいアイデアが浮かんだ。このままここで釣り続けてもスレしてしまってすぐに釣れなくなる。そこで、暗くなるまで待って、夕暮れのトップを狙うことにした。

 場所を少し離れ、ポイントを落ち着かせつつ、近くにいた他のバサーが帰っていくのを待った。バサーが帰り、レンタルボート店の桟橋に照明が点き、しばらく船も戻って来なそうな雰囲気だった。

 夕暮れになると雨が降り出した。車から100円カッパを出して準備。

 夕闇が迫ると同時に、ジッターバグをキャスト。暗く静か水面から、ポカポカポカッと陽気な音が聞こえてきた。

 離れたところからバフォッ!と音がするも、ノらず。ルアーに重みを感じない。バスがバイトに失敗したのだ。それでも何投かするとバフォッ!グググッとヒットした!

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見事にトップで釣り上げた。8尾目。

30cm台中盤。


【本日の釣果】
八郎潟残存湖の塩口の河口…8尾


 ボクだけじゃなく、Nyもトップで釣れてご満悦の様子。

 このあと、O.S.Pのバジンクランクとローテーションしながら、何度かバフォッというバイトがあったが釣れないまま、雨が強くなった。

 雨だけならもう少し続けたかったのだが、なんと夜空がピカッと光り、ゴロゴロとが鳴り始めた。それもけっこう近くに落雷している模様。

 ロッドに落雷でもしたらたまらんので、急いで納竿にして車へ戻った。

 気持ちを落ち着かせてから、真っ暗な道を慎重に運転して戻った。キャンプ地近くのいつもの風呂「ポルダー」に寄って入浴。汗と虫除け剤を流しつつ、今日の釣果を思い出しながら、さっぱりした。

 キャンプ地に戻ると、さらにテントと人の数が増えてきた。お盆休みのピークが近いのだ。

 この日も夕食に何を食べたか覚えていない。

 とにかく、今までの苦労が報われたかのような釣果に満足して、眠りについた。


 そういえば、この夜、炊事場にいた学生たちに話しかける機会があり、やはり思った通りだった。初日にキャンプ地を見て、ある場所に固まったテントから、3年前の同じ時期に来ていた学生たちではないかと疑っていたが、正解だった。

 八郎潟から車で少し走れば寒風山というパラグライダーをする人たちには有名な山がある。東北各地の大学のパラグライダーサークルの学生たちが夏合宿に来ているのだ。昼間は寒風山で飛び、夜は八郎潟のキャンプ地でテント泊と自炊をして生活する。3年前は他に人がいなかったから、ボクは学生たちと仲良しになり、最終日の宴会に呼ばれてご馳走になったのだ。

 そのときにボクが覚えていたのは、一人暮らし用の炊飯器を4つも5つも持ってきて、コンセントの電源をタップで分けて、ご飯を炊いていたこと。同じように炊飯器が置いてあったから、これは!と確信したのだった。

 その3年前の話をすると一人の学生がボクのことを覚えていてくれた。このグループは今夜が最後で、3年前に会った時の主要メンバーは後日またこのキャンプ地に来るということだった。

 まあ、これも何かの縁ということで。


【翌日へ】

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