2005年4月24日(日)
バス釣り-レンタルボート-房総・片倉ダム(笹川湖)
千葉県君津市



前説をとばして当日の話はここから

 前回4/3の釣行最後に偵察に寄った片倉ダムのことをb氏が気になって調べたらしい。そこでこんなサイトを見つけ、ぜひ50UPを狙おう!ということで、片倉「怪獣獲り」となった。上記のサイトおよび各地の情報によると、最近の片倉ダムでは50UPをはじめ大物バスが何本も上がっているという。

 片倉ダムは以前、陸っぱりで釣ったことがある。そのときは20cm以下のコバスが何匹も釣れた。立木の間からコバスが湧いてくることと、クリアウォーターだったことを覚えている。

 陸っぱりポイントがわずかな上にフローターや持ち込みボートは禁止されているので、まともにやるならレンタルボートしかない。そこで今回お世話になるのが「レンタルボートすずき」。あとはもう1軒しかないので、ボート店は2軒で独占してるわけだ。いくつものボート店がシノギをけずる亀山ダムと違って、競争が足りない=サービスが悪い、のではないかと勝手に失礼な憶測をしてしまった。

 b氏が「レンタルボートすずき」に連絡して12ftボート・エレキセットを借りることになった。

 実はオレ的にはどこで釣行しても関係なくて、それよりも買ったばかりのロッドとリールを試してみたかったのだ。
●新ロッド 「オリムピック ベローチェ GLVS-64UL
●新リール 「シマノ '03ツインパワー 2500SDH A-RB

 今まで数年いろんな場所で釣ってきたが、一番使用率が高いのはスピニングリールのセットだった(ベイトリールとロッドは2セットあるが、やはりスピニングで釣れることが多い)。なのに自分が使っているスピニングは2980円くらいで買った安物2ピースロッドと5000円くらいで買ったダイワ・リーガルシリーズのリールなのだ。安物の組み合わせだが、これで50UP(50cmを超えるバス)も含め数多くの大物も釣り上げている。

 『釣りは道具じゃなくて経験だ!』というのが持論だが、せっかくたくさん使うモノなら気分良く使えるモノのほうがイイ!という考えに変わってきたから、そこそこの値段の中級者クラスの組み合わせを考えた。それに、ロッドのコルクグリップ部分が割れて壊れそうになっているので買い替えたいのだ。

 選択条件はこんな感じ。
・ロッドとリール合わせて3〜4万円くらい。
・ロッドは1ピース、少し長め、ライトリグ対応、EVAグリップ。
・リールは使ったことのないシマノ、ライトリグ用、ダブルハンドル。

 スピニングロッドでEVAグリップは少ない。おまけに2万円前後となるとごく限られる。それに管理釣り場でのトラウトフィッシングにも対応できるよう、ウルトラライトのロッドを探した。ベローチェのULはティップ(ロッド先端)はしなやかで繊細だが、バット(ロッド手元)はしっかりとした剛性がある、と何かで読んだからバスの大物が釣れても大丈夫らしい。

 候補は絞ることができたが、値段的な問題があった。するとWeb通販大手の「ナチュラム」の限定セールでツインパワーの欲しかったモデルが50%OFFになっていた。これは買うしかない!買うならロッドも一緒に。ついでにラインやこんなロッドホルスターまで注文した。すると、オレが注文した直後に「ツインパワー限定セール品」が売り切れになった。危なかった〜。

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半額で入手した03ツインパワーSDHとベローチェ。ライトリグ用の組み合わせということで、ラインは「バウオ ポリアミドプラス 5lb」。

シマノのリールはラインの端をスプールに引っ掛けておく「ライン止め?」がないのが面倒。

 そんな感じで4/23土曜。

 この日は大潮。だからシーバス釣行しようと丸儲け氏釣り侍氏と約束していた。大潮の満潮からの「下げ」の時は潮の流れが強くて魚類の活性が高まる、と言われている。東京の満潮が16:48。だからその頃には浦安の「いつもの場所」に行くつもりだったが、まだまだ明るい時間だったのと家を出るのが遅れたのと首都高の渋滞にハマったのがあって、結局いつもの場所に着いたのが19:30だった。

 先行して試していた両氏によると、まったく反応がないとのこと。確かにボラが表層を泳いでいるだけで、シーバスの捕食音や気配がない。それよりもボラの死体が次々と流れてくるのが気になる。

 ちなみに、この場所は、前回のシーバス釣行3/12のときは、風が強いながらも両氏はちゃんと2-3匹釣り上げていた(オレはボウズ)。

 赤潮か何かあって水中酸素量が減って、弱い個体は死んで、残りもあえいでいるのかもしれない。場所を移動。

 次の場所は若洲海浜公園。シーバスを狙うルアーマンの間では超メジャーポイント。干潮になっても釣りしやすい場所なので。そこで釣り侍氏がはじめの第1投で30cmクラスのセイゴを釣り上げた。あとはさっぱりダメ。21:00くらいに納竿して、両氏と別れた。

 このあと、ひとりで、妙見島へ偵察に行った。するとルアーマンらしき車が1台もないので、これはチャンスかも!と、ロッドを持っていそいそと釣れるポイントへ向かった。しかし、魚っけがまったくない。しばらくキャストを続けたが何も反応なし。

 ここはちょうど川の流れがぶつかって渦を巻く場所なので、潮の変化が顕著に出る。そんな流れに負けないように、買ったばかりの「DUEL ライブベイト バイブブレード14g」で低層を狙っていたら、あっという間に根がかりして、ファイヤーラインが切れた…orz。

 やる気をなくしたので納竿にして引き上げた。

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浦安某所。いつもの場所。

つーか、何度も書いてるから判る人には判る。

 シーバス釣行は終わりにして、ひとりになって考えた。b氏との待ち合わせ時間は夜中の03:00。それまでの間、どこかで仮眠したい。しかしどこで?

 はじめは近くでスーパー銭湯「湯処葛西」を見つけたので、風呂に入ったあと休憩所で休もうかと思った。しかし施設内を偵察すると、あまりに人が多すぎたし、くつろげるような休憩所がなかったのでヤメ。

 結局、メシ食って、そのままb氏の駐車場へ向かい、来客用スペースに停めて、車内で仮眠した。

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b氏のプラドに乗って出発。

10本積みロッドホルダーはすべて埋まっている。このうちオレのロッドは3本だけ。

b氏のロッドとリールは高価なモノばかり。

 03:00、車から起き出すとb氏も駐車場に来ていた。オレの車からタックルをb氏のプラドに移し、オレの車は来客用スペースに停めたままにして、プラドで出発。

 05:00頃、片倉ダム隣りの道の駅「ふれあいパーク・きみつ」に隣接するコンビニへ買出し。バサーと思われるたくさんの人たちが食い物を買っていた。こんなに人がいるのか。

 もう1軒のボート店「笹川ボート」の駐車場は満車。そして、オレたちが予約している「レンタルボートすずき」の駐車場も車がいっぱい。かろうじて1台の空いたスペースに停めた。

 これはマズイ。バサーが多すぎる。プレッシャーが高すぎて釣りにくくなる可能性大だ。いやーな予感がした。

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出船時間は05:30。しかし05:00から駐車場は満車。

いやな悪寒が…。

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こんなトラクターみたいな運搬機で荷物を運ぶ。

常連の人たちは自分のエレキやバッテリ、バウデッキ(エレキをボートに固定する専用の板)を持ってきている。そんな大量の荷物を持ち込む人が多いので、こういうものがないとボートまで運ぶのがタイヘンなのだ。
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ボート乗り場の桟橋までは急な坂道なので、どうしても運搬機で運ばないとだめだ。

オレたちも運んでもらおうと思ったが、なかなか順番が来ないので、自分たちで一輪車で運んだ。なにせバッテリはものすごく重いから。
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ボートを予約した「レンタルボートすずき」。

オレたちは何も持ってないので、エレキとバッテリを借りた。エレキはハンドコンタイプ。あとb氏はフローティングベストも借りた。オレはフローティングベスト持ってる。

 つーか、b氏は自分でフローター持っててそれなりに釣行してるくせに、なぜフローティングベストくらい持ってないかな〜、とツッコミ入れたりしながらボートに乗船。

 レンタルはハンドコンタイプのエレキしかないから、ハンドコンをボートの後ろに取り付けてバッテリに接続。けっこう簡単。しかし、自前のフットコンタイプのエレキを持ってきて、バウデッキや魚探を準備してるバサーたちは時間がかかっていた。そんな人たちがレンタルしている一人乗りの小型ボート(たぶん10ft)のほうが、幅広で安定感がありそうな感じに見えた。

 まったく地形がワカランので、先行したボートを追って、まずは上流方向へ向かった。

 崖の岩盤、オーバーハングしたブッシュ、細かい立木、などなど攻めがいのあるストラクチャーがいくらでもあった。

 しかし・・・。反応がない。まったくない。

 
まわりのボートの人たちを見ても、誰ひとりとして「きたー!」とか「釣れたっ!」とか「うぐっ!(バシャバシャッって魚と水の音)」とかの声を出してない。静かーにロッドを振ったり、ここはダメだという顔をしながらボートを操船したり。

 まずい。釣れない雰囲気まんてんだ。

 おまけに寒い。この時期の南房総は早朝だけは寒いが、日が昇ればすぐにTシャツでいいくらいに暑くなる。とくにボートの上は水面の照り返しがあって暖かい。そんなはずなのに、日が昇っても寒いまま。

 冷たい風が吹いて、日陰に入ると震えてしまうくらい。「すぐに暑くなるから防寒着はいらないよなっ」と言ってオレたち二人とも薄着だった。寒いと集中力が持続しない。それにトイレが近くなる。

 これはマズイよ。

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上流に向かって出発。

かなり寒い。失敗した。防寒着を持ってくるべきだった。風が冷たい。水温も低いのかも。

少し水もにごってるし。
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岩盤と立木。

狙いたくなるポイントは山ほどある。

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立木。こんなのがいくらでもある。

狙うと、すぐにルアーやワームがひっかかる。

そこを苦労して狙っても、まったく反応がない。
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立木とゴミたまり。

2-3日前の雨と風のせいで、ゴミが多い。こんなゴミたまりの下で釣れたりするんだが、反応なし。

なんかおかしい。
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ジャングルのような鬱蒼とした立木群の中を進む。

しかし、攻めても攻めてもまったく反応がないので、短気で飽きっぽいb氏は昼寝したりして、やる気マイナス。

 晴れてるのにいつまで経っても暖かくならない。冷たい風に押されてボートが流される。そして、こんな場所にいなけりゃオカシイよってポイントを攻めても釣れない。通りすぎるボートの人に話しかけても、クビをひねるばかり。

 コンビニで買ったパンやオニギリを食べながら、あちこち移動。ボート店の前を通りすぎて下流方向とかにも行った。

 ハンドコンなのでひとりは操船して、もうひとりはボート前方でキャストしたりリグったり。だがそのうち、オレがポイントに留まれるよう岸際の立木にボートを寄せて風で流されないようにしながら、ていねいにダウンショットで狙っていると、前に乗っているb氏はいつのまにか昼寝をはじめた。

 アカン。すでにやる気をなくしている。オレもかなり気分マイナス状態。

 オレはそれでも新しく買ったロッドとリールのテストのために、いろいろ投げたり試したりしてたから、なんとか気力が持続していた。

 まだ水温が低いから、バスは深場に隠れているのかもしれない。岸際のストラクチャーに着いていないのはそんな理由かもしれない。そう勝手に解釈して、岸から離れた深いところをヘビーダウンショットで狙ったりスピナーベイトをゆっくり沈めて底を探ったり。

 岸際でも深い水底でも立木や沈み枝が多いから、フックの先が出ているようなルアーやマス針はまったく使い物にならない。すぐに引っかかってしまう。だからオフセットフックかガード付きのマス針、それかスピナーベイトかラバージグくらいしか使えない。

 深いところを狙うには「縦の釣り」になる。しかしそれは間違いだったと判った。

 正午近く、出船して6時間近くが経っていた。ジャングルのように立木が生えている細い水路を、立木を避けながら進んで行った。

 立木に沿って深場をダウンショットで狙うのに飽きたので、気分転換にグラブのスプリットショットリグでシャロー(浅瀬)を狙ってみた。するとコツンッ。小さなアタリが!

 巻いてくるとグラブのテールがなくなっていた。ギルにでもテールだけ食われたのか?

 b氏が面白半分に「同じとこ投げればまだいるんじゃねーか?」とか言ったので、テールがなくなってイモグラブ状態のまま、同じ場所へキャスト&リトリーブ。

 すると、ググンッ!キター!!!やっと釣れた〜!小さいけどウレスィ〜。

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ジャングルのような立木の間をすり抜けて、細い水路へ。

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奥のブッシュわきのシャローを狙う。

日のあたるシャローにはギルがいることが多い。

しかし水が濁っている。普段の片倉はクリアウォーターなんだが。
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やっと釣れた〜。

小さいけどウレシイ。
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26cm。

なんだか、色が黒いバスだった。

食ってるものがいいとか、小魚を食べているとか、そんなバスは色が黒いという説がある。

色の白いバスはまともなものを食べてないらしい。
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テールを食われて、勝手になったイモグラブ。スプリットショットリグ。

本当は深いところを狙うはずだったんだけど。

 昼近くなって水温が上がりだし、日の当たるシャローにコバスが出てきていたらしい。たまたまそこを「横の釣り」つまりキャスト&リトリーブでグラブを泳がせるようなスプリットショットリグにしていて正解だったのかも。

 狙うは日の当たるシャローだ。

 同船のオレが釣れたことで、b氏もやる気が出たかと思いきや「新しいロッドでやればよかったのになぁ」とか他人ごとのような発言。

 しかし言われてみると、そうだ。オレが釣ったのは安物スピニングセットのほうだった。新ロッド&リールはダウンショットをリグってあったので、すぐに変更した。オフセットフックを付けて、ノーシンカーワームに変えた。ベローチェ&ツインパワーのおにゅーセットで釣りたい

 日の当たる浅瀬を見つけ、ボートを寄せていくと、沈み枝の隙間に5cmもない細くて小さな魚が見えた。b氏が「マッチザベイトが大切だな」とかカッコいいことを言い放った。しかしオレは当たり前だがその通りだなと思い、すぐその場でワームを細くて小さなSAWAMURAバレットに変えた。

 そして、 水中の倒木のキワに落として、軽くトゥイッチさせながら倒木に沿ってリトリーブさせると、倒木の下から影がサッと動いた・・・。

 ぐぐッ!キター!きたよ〜。釣れたよ〜

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水中の倒木に沿ってトゥイッチ。

偏光サングラスごしに撮ってみた。少しは水中の様子が見えやすいかな。
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釣れた〜。

やっと2匹目。

またも小さい。25cmくらい。

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それよりも、おにゅーのベローチェ&ツインパワーのセットで釣れたことがうれしい。

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マッチザベイトのセオリーに従って選んだ、バレットの細くて小さいタイプ。ノーシンカー。

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釣りに興味を失い、滝のような流れ出しの撮影にせいを出すb氏。

もっと寄せてくれ、とボート操船にしつこくリクエストを出していた。

 午後遅くになると食糧がなくなってハラが減ったので、ボート店の桟橋まで戻った。上陸して、コンビニへ行ってカップラーメン。トイレの鏡を覗くと顔が赤い。寒いのに日差しが強くて日焼けしたらしい。今まで何度も失態を繰り返してきたので、用心のため日焼け止めを塗っていたのだが、それでも焼けたらしい。寒くて震えたのに日焼けとは納得いかない。

 ハラを満たして、防寒着を着こんで、再びボートに乗って出発。朝一の上流方面から分岐した支流へ。しかしさっぱり生命感がない。

 オレとしては釣果のないb氏に釣って欲しかったので、オレは船頭に徹してハンドコンを操っていた。しかし、半ば以上やる気を失ってしまったb氏はハードルアーを投げていた。キャストの練習らしい。

 そんな感じでダラダラしながら、17:00近くになったのでボート店の桟橋に着けて終了、納竿になった。

 b氏がフローティングベストを返却しに行ってボート店から聞いた話しによると、一番釣れた人でも5-6匹で小さいバスばかりだったとか。この日は水温のせいか、プレッシャーのせいか、スポーニングの影響か、濁りのせいか、とにかくバスが釣りにくい日だったわけだ。

 帰りのb号の車内は重い空気が漂っていた。

 いつものように「君津の湯」に入って休憩所で仮眠し、b氏のリクエストで近くの「○○家」という新しいラーメン店で晩飯。このラーメン店、家系を名乗るわりにそんなに旨くなかった。ラーメンマニアのb氏も「正統な家系と違うかも」って、家系がなんなのかも知らないオレにはどうでもいいことだが。

 入浴と仮眠とメシのおかげで、帰りの館山道→京葉道→首都高はまったく渋滞なく帰宅できた。

 しかし、ボート借りたのにこんなにシブい釣りとは納得いかない。次回からどこへ行こうか考えてしまった。

【今日の釣果】
 片倉ダム…2尾
 計…2尾


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