2004年7月3日(土)-4日(日)

桧原湖遠征−ボート&テント泊

福島県:桧原湖、宿泊地:松原キャンプ場




前説をとばして当日の話はここから

 今回の遠征の前に、6月5日(土)-6日(日)に福島県の裏磐梯へ1泊2日で行ってきた。釣友(というより師匠のような御方だが)の丸儲けさんらと恒例のフローター・スモール釣行。オレは昨年に続いて2回目(昨年の釣行記はこちら)。

 なのだが、アクシデントがあってデジカメが使えなくなってしまった。それも土曜の朝一でダメになったので、ほとんど画像がないために釣行記はナシになった。デジカメが水没してしまったのだ。

 フローターに慣れていないせいか(丸儲けさんのフローターを毎回借りている)、座り方が悪かったせいなのか、フローティングベストの背中のポケットにデジカメを入れていたら、ベストの背中のスポンジ全体がいつのまにか濡れていて、ポケットの中が水浸しになってしまった。

 念のために、デジカメをジップロックに入れていたのだが、なぜかジップロックの中に水が溜まっていて、デジカメが水に浸かっていたのだ。いま思えば、ジップロックに入れないほうが良かったかもしれない。デジカメは一応、起動はするようなのだが、レンズとAFセンサーが曇って使い物にならなかった。

 というわけで、釣行記はないけど6月に裏磐梯の小野川湖と桧原湖でフローターを使ってスモールマウスバスを対象にした釣行があった。

 その時の話をすると、釣友たちから「ぜひスモールを釣ってみたい」という要望があり、オレがガイドを引き受けることになった。スモールマウスバスは関東周辺では釣れないので珍しいのだ。

 オレとしては、2年連続で桧原湖のキャンプ場に泊まったことで、自然豊かなそのロケーションの良さに感銘を受け、ぜひ釣友たちにもその雰囲気を味わって欲しくて、一緒に行こうと誘ったのだった。


 前説が長くなってしまった。こんな流れから今回の遠征が企画された。

 釣友数人に誘いのメールを出してから、参加者が決まるまでに紆余曲折があったが、結局オレ含めて男2人女2人の計4人。宿泊先は以前と同じ「いかり潟キャンプ場」を予約しようと、キャンプ場管理人へメールを出した。

 ところがひとつ問題があった。「いかり潟キャンプ場」には基本的に手漕ぎボートしかないのだ。今までのフローターと違って今回はレンタルボートで釣るつもりだった。前もって頼んでおけば別のところからエレキ付きボートを用意しておいてくれると言ってくれたが、バッテリ充電器がないので予備バッテリを用意しておくとかの対応が必要になる。

 オレは「いかり潟キャンプ場」が気に入っていた。車で近づけない半島の先にあるため、渡船でキャンプ場へ渡る。そのためとても静かだ。まわりは緑がいっぱいで、すぐ目の前にきれいな湖面が広がる。トイレや炊事場などの水まわりは掃除が行き届いて清潔になっていた。

 それに「いかり潟キャンプ場」の管理人さんはとても人柄が良く、必要かつ充分なサービスをしてくれる。その上、犬が放し飼いになっていて楽しい。

 また6月の釣行と同様に、ジッターバグなど使った夕暮れのトップウォーターゲームを楽しみたくて、いかり潟キャンプ場の前の水辺は適度に照明があって、暗くても釣りやすいのだ。

 もうひとつの候補地「松原キャンプ場」に電話をして問い合わせてみると、フットコントロール(フットコン)エレキ付きボートが1日6500円で借りられるという。それにキャンプ場にバッテリ充電器があって自由に使える。

 6月の釣行のときに「松原キャンプ場」のロッジに泊まって、レンタルボートを借りたbabi氏からも薦められていた。ただしハンドコントロール(ハンドコン)のエレキでは操船に手間取って釣りにならないので、フットコンタイプを借りるべし、というアドバイスも受けていた。

 双方に何度も問い合わせた情報を、参加メンバー間にメールで伝え、メンバーからの要望に合致するよう話をまとめて、予約した。

 あとで「松原キャンプ場」から連絡があって、キャンプ場のフットコンボートがすべて予約済みのため、別のレンタルボート店から借りることになり、値段が1日8000円になるという。経費アップになってしまうが仕方ない。

 キャンプ場の話では、ボートが売り切れなのはこの週末にトーナメントがあるという。この話のほうが気になる。大会が開催されていたら、人が多くて釣りにくくなってしまう。どんな団体の開催なのかあちこち手をつくして調べてみたが、結局わからなかった。気になる〜。

 結果、「松原キャンプ場」に持ち込みテント泊すること、フットコンボートを別のレンタル店「入舟」で2日連続で借りてキャンプ場の桟橋に繋留しておくことになった。

 何度も問い合わせをした「いかり潟キャンプ場」の管理人さんには、丁重に説明してキャンセルした。

 参加メンバーは自分、kon氏、釣りはじめてのkoto、そして新潟発現地集合のnyo。


 桧原湖対策の買い物をしたので、その画像も掲載。

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ダイソーで買った、カウボーイハット風の麦わら帽子。

これが100円てスゴい。

ボートの上でこれ被ってれば涼しげかなぁって。
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ルアーや小物類を多数購入。

左上3個の詳細は下に↓。
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上はT.NAMIKIの阿修羅O.S.P。

左下は198円のアクアビバのFミノー。意外とこういう安物で釣れちゃったりして。

右下はトリックトラウトシケイダーU。TIEMCOのトラウト用セミルアー。フックはバーブレス。リアルな上に、羽が柔らかい。


 スモールを桧原湖で釣ることについては、『裏磐梯フィッシング情報』が非常に参考になる。このサイトはスモール釣行に関してはたぶん日本一役立つサイトだと思う。隅から隅まで熟読して学習した。そして釣行記に出ているルアーと同じものを買ったのだった。

 もともと、道具のブランドにはこだわりがないしメガバスとかエバーグリーンとか有名ブランドにも興味がない。ルアーは使ってなんぼのものだから、手ごろな値段でいつでも手軽に入手できなければルアーとしての価値はない、と思っている。

 しかし、並木敏成プロは好きなのでOSPはかなり気に入っているブランド。なのでOSPの阿修羅(ASURA)を買ってみた。このサスペンドミノーは評判が良く、ミノーに好反応らしいスモールはぜひこのアシュラで釣ってみたい。

 ミノーで釣れるというのは、スモールマウスバスはトラウト(マス科の魚たち)に似た習性があることにも関係あるらしい。

 あと『裏磐梯フィッシング情報』によると、セミルアーが効くのは桧原湖周辺はハルゼミが多くて、水面に落ちたセミを捕食する習性をスモールが持っているため。さらに夏にエサとなる小魚が取れなくなると、水面の昆虫類を捕食すると聞いたことがあるため。


 さて、出発の日がやってきた。

 土曜未明4時、kon号がウチに到着。途中でkotoをピックアップしてきたのだ。すぐに車を入れ替え、オレ号に荷物を積み替えて出発。近所の「shop99」に寄って乾電池やらレトルトご飯などを調達してから、外環・大泉ICへ。

外環→東北道→磐越道・猪苗代磐梯高原ICという経路で向かった。

 桧原湖に近づいたのは8時頃。別動のnyo号に連絡すると、まだ時間がかかるという。桧原湖と小野川湖の間にある国道沿いのセブンイレブンで買い物。このコンビニはキャンプ用の炭やルアーまで売っている。

 とりあえず先に桧原湖の水辺を2人に見せようと、レンタルボート店のある長峯船着場に行った。今までの「いかり潟キャンプ場」への渡船はこの桟橋から送迎を受けた。

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桧原湖の長峯に到着。

この桟橋に渡船が着いたり、スロープからボートが出入りする。

緑の樹木と紺碧の湖面がまぶしい。


 nyoが到着するまでの間、桟橋から観察した。釣りはじめてのkotoに偏光サングラスを貸すと、「水の中がよく見える〜!」と感動していた。実はものすごい安物の偏光なのだが…。

 桟橋近くに小魚が見え、その近くにスモールマウスバスの小さいやつが泳いでいる姿が見えた。釣りはけっこうやっているkon氏もスモールを見るのは初めてだった。

 桟橋で遊んでいると、赤くて四角い小さな車がやってきた。nyo号が到着したのだ。やっと全員揃ったのでレンタルボート店「入舟」に行って、手続きと支払いをした。2日間分の入漁料(1人2000円)を徴収されてしまった。

 ここで交渉して、フットコンの使い方を教えてもらうこと、キャンプ場までボートを牽引してもらうこと、ボートのバッテリはそれぞれ2個にしてもらうことになった。バッテリの電気が切れても充電しながらもう1つを使うことができて便利なのだ。

 車を桟橋そばに着けて荷物を降ろし、渡船に積み込んだ。オレ以外はボート店からフローティングベストを借りた。オレ号のキーは「入舟」に預け、2日間邪魔にならない場所に駐車させてもらった。nyoは小さな車なので付近の空きスペースに停めてしまった。

 そして、入舟のニイちゃんからフットコン講習。桟橋に着けてあったレンタルボートを操作しながら説明してもらった。片足のペダルだけで、ON/OFFや速度や方向を操作するのだ。器用な足の使い方が必要になる。kon氏はまあ大丈夫だろうが、女性2人は理解していないような顔。エレキが付いたボートに乗るのさえ初めてなのに、いきなり操作に慣れが必要なフットコンボートで大丈夫かなと心配になった。

 渡船にボート2艘をつないで牽引し、桟橋を出発。「松原キャンプ場」に向かった。

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「入舟」で受け取った船釣遊漁承認証。1日1000円。

岸釣りの場合はどうなるんだろう?

(撮影は翌日午後)
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渡船でキャンプ場へ。

後ろは牽引されるレンタルボート。

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5分もしないうちに目的地。

「松原キャンプ場」に到着。

右隅に見える白くて小さいのは後で登場するヤツ。
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テントサイトからの眺め。


 キャンプ場桟橋に着くとレンタルボートをつないで荷物を降ろした。管理人さんがやってきて、入舟のニイちゃんとちょっと話しをして、入舟の渡船は帰っていった。

 管理人さん家族とあいさつ。他にも大工さんたちがいて、木を組んで風呂の建物の工事が進んでいた。

 客は自分たちだけなので好きな場所を使っていいということで、しばらく場所選びを検討したあと、適度に水辺やトイレから近く、平らな場所を自分たちのテントサイトに決定した。そして、すぐにテントの設営を開始した。

 テントは小川キャンパルリサービア。今年のGWの八郎潟遠征のために買ったもの。その時の台風でも平気だったくらい、全天候型で快適性ばつぐん。難点は重くてかさばること。

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4人いるのでけっこう手早く設営完了。

吊り下げタイプなので設営にはそれほど時間はかからない。
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テントサイトは割とごちゃごちゃした場所。

でも、あとで気づいたのは、ロッジの階段とかに腰掛けられて便利だった。
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テントが建ったら、次はエアベッドの空気入れ。

自分のベッドが終わって、さっそくビール飲んでるkon氏。横目でカメラ目線。


 このエアベッドが問題だった。オレのもkon氏のも車での使用を考えてシガライター接続タイプの電動空気入れなので、この場所では使えない。八郎潟遠征のときにダイソーで買った空気入れ(浮き輪とかに使う小さなやつ)を、えんえんと時間をかけて踏んで、汗だくになってやっとエアベッドが膨らんだ。

 kon氏のはシングルサイズなので自分用、オレのはセミダブルサイズなのでnyoとkotoに譲り、オレは銀マットと半身サイズの簡易マットで寝ることにした。

 準備が出来たのでちょっと休憩。この時間になったら急いでも釣り難さに変わりないので、慌ててもしかたないのでまったり。

 このキャンプ場には管理人家族のほかに、アヒルと子犬がいた。アヒルは動き回って撮影しにくかったので、夜中にオリに入られていたのを撮影した。普段は放し飼い状態で、渡船で来たときに泳いでいたのはこいつだった。

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あひる。

オスかメスも不明。
名前もまだないらしい。

普段は放し飼い。夜間だけオリの中らしい。
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子犬。オス。

名前は「ぷっち」。
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頭は茶色なのに、体は白黒。へんなの。

ジャレまくり。
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メシ食ったり、子犬と遊んだり。

各自まったり。

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キャンプ場の水辺にあるテラスには木製ベンチがある。

左に見えるのはカナディアンカヌー各種。これもレンタルできる。
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桟橋の正面に磐梯山が見える。

1888年(明治21年)に噴火したそうな。長峯のすぐそばに「磐梯山噴火記念館」があった。


 そろそろ釣行開始。

 ボートに乗る組み合わせは「ウラオモテ」で決めた。女性2人になったとしてもそれはそれで面白いと思っていた。しかしあっけなく「オレとkoto」と「kon氏とnyo」に決まった。

 ・・・つまらん。

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2人乗りレンタルボート、フットコンエレキ仕様。

運転手は脚立に座って足でペダルを操作する。

この脚立の高さがあとで問題になった。
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予備のバッテリは桟橋に置いて。

バッテリはかなり重く、余計な重量になってしまうため。
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アヒルがオレたちの出航を歓迎してくれた。

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颯爽と進むオレ&kotoの勇姿。

操るボートの名は「玄海」。

実はボートに名前が付いてたなんて、この画像を見てあとで知った。


 いかり潟周辺の島がたくさんある方へ向かった。太陽が高く昇った晴天。暑い。まったく釣れそうな感じじゃない。

 それでも、2度のスモール釣行から学習した「岸から2-3m」をポイントに狙ってみた。

 ラージは岸際ギリギリや障害物にぴったり着いているけど、スモールは回遊していることが多く、おまけにかなり深い水深にもいるのでポイントが絞りにくい。

 それでも小さなサイズは岸近くの低層を泳いでいることが多いらしいので、岸からちょっとだけ離れた場所の底を狙ってみた。

 桧原湖は水質がクリアなので、偏光サングラス越しに水中の岩が見える。そんな岩影に落として集中すると、小さなアタリがあった。

 さっそくきたか?(今回の遠征メンバーの中で)初ヒットか?

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上がってきたのはラージマウスバスだった(-_-;)

今回、ラージは外道。あまりうれしくない。

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スモール対応のチューブワーム「AR-T」を重めのシンカーで、ダウンショットリグ。

底まで落としてシェイクした。


 桧原湖にはスモール9対ラージ1くらいの割合と聞いたことがある。そんなレアなラージがいきなりはじめに釣れて良かったのか悪かったのか…。

 でもとにかく、釣れにくそうな気配の暑さの中で、とりあえずの1尾が出ただけでもやる気になれた。

 今までなら小型グラブにネイルシンカー埋めたリグを底のズル引きしてたのだが、今回はボートの釣りなので上方からダウンショットを試してみた。湖底は岩石が多いため根がかりしやすいのだが、ボートなら移動すれば外すことができるのだ。

 これ以降、しばらくAR-Tのダウンショットばかり使うことになる。

 さっきまで晴れていたのに、このあと急に雲行きがあやしくなり、小雨がパラパラ降りだしてきた。本格的な雨にはなりそうもなかったが、テントの網窓を開けたままにしてきたのが気になって、いったんキャンプ場に戻った。

 テントの窓を閉めて、カッパを着て、再スタート。

 再び、いかり潟方面へ。エレキはスピードが遅いので、広い湖では移動に時間がかかって、正直かったるい。他の本格的なバサーのボートは後ろに船外機エンジン、前にエレキを取り付け、長距離移動はエンジンを使っていた。

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大きな岩の陰があやしい。

岩から少し手前に落として、軽く揺らして待つと、思ったとおり小さなアタリ。

スイープなフッキングをするとロッドに重みが。よしっ!ノった!
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グイグイと下に引くこのヒキは、まさにスモール。

抜き上げると、こんなチビ。

しかしこのサイズがここのスモールの平均サイズなのだ。


 本命が1尾釣れて安心。

 このあとはkotoに初バス(初魚類かも)を釣らせるために、たっぷりとレクチャーを行った。ロッドのにぎり方、キャストの方法、ラインから指を離すタイミング、ルアー(ワーム)を投げる場所、動かし方、リールの巻き方、違和感とアタリの説明、そして釣れたあとの対応。

 ある程度キャストできるようになった段階で、同じように岸から2-3mに投げるように教えた。リグはサターンワームのスプリットショット。スピニングリールとロッドはkon氏が貸して、ワームやシンカーなどはオレが提供。もちろんリグったり結んだりはオレの担当。

 投げて自然に沈めて5秒ほど待ってからゆっくりゆっくり巻いてくる。重くなったりココンッというような違和感を感じたら、軽くロッドを立ててみる。重みがあったらリールを巻く。それだけ。

 そんな説明をしているうちに、あやしい岩陰があったので「あの岩の手前に投げてみろ」と指示して少し待つと、「あれれ?なんか・・・」とか言いはじめて、なんとあっさり釣れてしまった。

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初めて釣れたkoto。

これがどれだけ喜ばしいことか、本人は理解していない様子。

偏光サングラスはオレが貸したもの。


 kotoにも釣れて安心。kon氏とnyoペアも釣れているようだった。雨が止んで適度に曇っていたのが良かったのかもしれない。

 オレはこのあと、いくつもある島をまわって、コンスタントに釣れた。AR-Tのダウンショットは好評らしい。アタリの感触も確実に掴めたし、バラしも少なかった。

 とはいえ、岸近くで釣れているので、どうしてもチビサイズばかり。岸から少し離れた沖のほうで、割と深い場所を狙って釣れても、サイズアップしなかった。

 しかし、桧原湖には大型の遊覧船と観光用モーターボートが走り回っていて、その船が通ると引き波が起きてオレたちが乗っているような小型ボートを大きく揺らした。揺れるとボートの上から落ちそうになるから、バランスを取る必要があった。だから大型の船が頻繁に通る沖のほうではまともに釣りができない。

 それに前席はフットコンペダルを操作しやすいよう脚立に座るのだが、けっこう高さがあるので波が来ると非常に怖い。横波を受けると転覆しそうで怖いので、高い波がやってきたときにはボートを操作して、波に対して垂直に向けてやり過ごしたりした。

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2尾目。

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3尾目。

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4尾目。

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5尾目。


 そして、夕暮れが近づいた。ついにゴールデンタイムだ。

 他のボートがいなくなり、暗くなってくれば、スモールたちの警戒心が薄れ、トップ(水面表層)でくハードルアーを使って釣れるようになるはずなのだ。

 6月の時はラインが見えなくなるくらい暗い中で、ジッターバグ1投ごとに反応があったくらい、活性が高まっていた。

 そんなトップの釣りをすべく、夕暮れを待っていた。そして遊覧船やモーターボートも通らないので引き波に気をつける必要もなく、釣りに集中できる。

 しかし、キャンプ場から離れた場所で暗くなったら帰りが心配だ。kon氏&nyo号を探して一緒に行動するようにして、キャンプ場方面に戻りつつ、暗くなるのを待った。

 ところがバッテリが減ってきて、スピードが出ない。

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18:30、ベイトロッドにはアシュラを準備。

スピードの出ないボートを操船してキャンプ場の方向へ進む。

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山影に夕日が沈んだ。

速度の出ないエレキだけに頼っていられず、オールを漕ぎはじめるkon氏。


 夕日が沈めばトップだ。

 愛用のベイトタックル、PIXYリール&ロッドのセットにアシュラをセットして投げまくる。しかしまったく反応がない。

 次にヘドンのシングルスイッシャーを投げまくる。しかし反応がない。さらに、ジッターバグに替えて投げまくる。これで出ないのはおかしい。

 もしかして、今日はトップに出ないのか?気候が悪いのか?場所が悪いのか?まだ時間が早いのか?ボート2艘で4人の話し声がいけないのか?

 だんだん釣れる気がしなくなってきていた。

 そんなとき、後ろに座っていたkotoが声を上げた。釣れたらしい。nyoからプレゼントされたアクアビバのヘンテコなシングルスイッシャーを投げていた。

 うまくキャストできず、何度も手前にボチャンと落としていたので、船の進行にまかせてトローリングしたりしていた。しかし、ちゃんとキャストして巻いているうちにスモールがアタックしてきたらしい。

 初めての釣りでトップで釣れてしまった。これをビギナーズラックと言わずして何といおう。

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はじめての釣りなのに、トップで釣れてしまった。なんとツイてることか。

これでやる気になった。


 ひとりがトップで釣れたということは、このあたりには同じように高活性のヤツがいるはず。そう思うとやる気になって、ひたすらジッターバグを投げまくった。

 「バシュッ!」

 水面の捕食音とともにロッドに重みが加わった。

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やっときた〜!

ジッターバグで釣れた〜!

これで6尾目。
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ん?

暗くて気づかなかったが、口のなかに何か入っている。

ルアーを外している間に消えてしまったので正体は不明。


 オレ的には暗い中でももっとやりたかったのだが、バッテリがなくなりつつあったのと、他のメンバーが初の夜釣りで怖がっていたこともあって、真っ暗になる前にキャンプ場の桟橋に戻った。

 桟橋にボートを着けるとキャンプ場管理人のご主人がやってきて(もしかしたら心配して待っていたのかも)、ボートの乗り降りを手伝ってくれ、この暗い中でバッテリ交換もやってくれた。空のバッテリはキャンプ場の充電器へ。

 4人ともどっぷり疲れていた。慣れないボートによる疲れと日焼け。nyoはすぐにテントにもぐりこんでしまった。

 残りの3人でメシ。ガスクッカー2台で湯を沸かして、レトルトを暖めたり、カップラーメンを作ったり、コーヒーを入れたり。

 確かに眠かった。ぼうっとしながらレトルトご飯ができるのを待っていると、突然、花火が上がった。湖の上で花火。確か、6月のときも夜、花火が上がったことを思い出した。2-3発だけだったが、静かな暗闇の湖畔に浮かぶ打ち上げ花火に一瞬の美しさを感じた。

 食って、片付けて、寝袋の用意をして、テントに入った。kon氏はシングルベッド、nyoとkotoはセミダブルベッド、オレはその隙間に自分の簡易マットを敷いて。

 翌朝は「起きれたら互いに起こそう」ということにして、3:45に目覚ましをセットした。


【本日の釣果】
 桧原湖
 スモール…6尾
 ラージ…1尾
 計…7尾

□⇒翌日へ⇒□




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