2005年6月4日(土)
トラウト釣り-管理釣り場に初挑戦!-FISH・ON! 鹿留
山梨県都留市



前説をとばして当日の話はここから

 kaz氏から「管釣やらね?」とのお誘い。前から興味があって、そのうちやろうと話してあったのだ。週末を調整して6月4日に行こうということになった。「管釣」とは管理釣り場のことで、釣り堀の高機能版みたいな人工の池や渓流を堰き止めた部分に放流されたマスなどのトラウト類を狙う。エサ釣り、フライフィッシング、ルアーフィッシングと選択肢があるが、自分たちはルアーフィッシングを選んだ。

  kaz氏はフライフィッシングの経験あるが道具を持っておらず、オレもkaz氏もエサ釣りの道具を持っているがエサは当たり前に釣れすぎて楽しくない。それでスプーンやミノーなどのルアーを使った釣りにした。

 ちょうどnyoも参加することになり、管釣初体験のオレたち3人は前もって学習をはじめた。管釣のことが載っているトラウト系雑誌を買って読み、その記事に出てきたスプーンを買ったり。

 オレもkaz氏もスプーンやミノーを使って自然の渓流でトラウト釣行したことがあるが、管釣は初めてなので管釣に合ったルアーを持っていない。管釣には管釣のルールがあるのだ。

 ルール(レギュレーション)は各管釣によって違うが、たいていは「ワーム禁止」「ルアーのフックはバーブレスのシングルフック」が基本らしい。ルアーに一般的な3本針やカエシのある針はトラウトの繊細な体を傷つけてしまうからダメということだ。たいていの管釣では一定数までは持ち帰りOKなので、持って帰って食べるのが目的ならカエシありでも良いが、今回は食べることが目的ではない。

 そのため、タックルショップ(ルアー系釣具店)に行って、スプーンを2コとバーブレスフックを3サイズ買ってきた。今どき売っているスプーンははじめからバーブレスになっている。しかし、元から持っているスプーンやミノーはバーブ(カエシ)ありなのだ。それで、釣行前夜、手持ちのスプーンやミノーをバーブレスフックに交換(この作業はけっこうメンドイ)した。

 問題は天気だった。数日前から週末の天気予報が何度も変わり、土曜は雨っぽい。だから日曜に変更することも考えた。カッパを着て釣りしてもいいが、蒸れるしウザい。とりあえず、雨は土曜の午後かららしいので土曜に釣行することに決めて、現地に6時集合の約束をした。

 目的地は「FISH・ON! 鹿留」。山梨県都留市にある小ぎれいな管理釣り場だ。以前は「ホリデイロッジ鹿留」という名前の施設だった。思うに、東電不動産が買い取って改装と名称変更を行い、CIとブランディングにより最近人気が出てきた管理釣り場ではないか。勝手な想像だが。

 この目的地選びにも時間がかかった。ルアーフィッシングができる管釣がこれほどたくさんあるとは思わなかったのだ。仕方ないから池(ポンド)と渓流(ストリーム)の両方があって、広くて飽きない場所を探した。決め手は「ドッグランがあるから」とnyoのダメ押し。

 当日未明、ほとんど寝ないで出発。雨が降っていたが、そのうち止みそうな小雨。中央高速は所々で深い霧が出ていた。

 予想通りぴったりの時間に現地に着くと雨は上がっていた。しかし、kaz氏から連絡があって、東名高速で事故渋滞に巻き込まれて少し遅れるという。

 kaz氏が来るまで、駐車場の目の前の池「鹿留湖」をしばらく眺めた。コンビニで買った朝食を食べながら。営業開始直後に到着したのにすでに数多くの釣り人がいた。フライマン(フライフィッシングのアングラーのことだが、男性だけというわけではない)が多く、ルアーマンは少ない。そしてフライマンは釣れているがルアーマンは釣れてない。

 もしかしたら、オレたちみたいな初心者ルアーマンは釣れないまま終わるのかと心配になった。

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運良く雨が止んだ。

駐車場でちょい待ち。
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目の前の「鹿留湖」を眺めながら朝食。

すでに人が多い。フライはけっこう釣れているがルアーは釣れていない。

 kaz氏がすぐに到着したので、まずはフロントへ受付しに行って1日券の申込み(4100円)。フロント周辺にあった道具を見ていて忘れ物に気がついた。ネットを忘れたのだ。シーバス用に買った玉網を持ってくるつもりだったのだが、クルマに積むのを忘れた。トラウトは体が弱いしバスのようにアゴを持って上げることができない。なのでランディングネットが必要なのだ。

 売っているランディングネットの中に700円と格安のネットがあった。しかしゴムネットではないのでフックが絡んだりしてあまり使い勝手は良くないタイプ。3人で顔を見合わせて「どーする?」。要は一人が持っていればこと足りるのだ。するとkaz氏が「オレ買うよ」。3人の中では一番トラウトの経験があるし、今後も渓流に行く可能性が一番高いので、妥当な選択だ。

 ランディングネットと入漁券(ただのリボンに日付と印が入ってるだけ)を入手したので、さっそく釣り場へ。池と渓流があってどこではじめるか迷ったが、とりあえず、さっきまで眺めていた「鹿留湖」に向かった。

 さらに人が増えていて、駐車場から対岸のわずかなスペースしか空いてなかったので、仕方なくそこで釣行スタート。

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駐車場対岸のこの場所しか空いてなかった。

さて、釣行スタート。

 水の中はけっこう見える。トラウトたちが泳いでいる姿が見える。偏光サングラスをかけると、こんなにいるのかよっ!ってくらいの魚の姿が見えた。かなり魚影が濃い。これだけいればすぐに釣れるかと思いきや、そう簡単ではなかった。

 オレはバス用のウルトラライトロッドに5lbのナイロンラインを使った。トラウト用のロッドは持ってないため、このベローチェGLVS-64ULとツインパワーのセットはバスのライトリグ用に最近買ったものだが、トラウトにも使うことも想定していたのだ。

 通常、管釣では1-2gの軽いスプーンを使うことが多いため、2-3lbの細いラインを使うのが最近の流れらしい。だからライトリグに特化したトラウト専用のロッドを使う。しかし、トラウト専用に別のロッドを買うのがもったいないので、バス用と兼用できるロッドをオレは使った。

 直前に買ったスプーンや元から持っていたミノーを投げるが、見えているトラウトたちは少し追うだけで食いつかなかった。色や大きさや泳ぎ方など、いろいろ試すうちに「当たりルアー」が見つかるかもしれないので、次々にルアーチェンジして試した。

 すると、隣りでキャストしていたnyoにヒット。バス釣りで慣れているので、すぐに寄せてkaz氏からネットを借りて、捕り込んだ。

 ファーストヒットはレインボートラウト(虹鱒)だった。

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ファーストヒットはnyo。レインボー。

 nyoが使っていたルアーはジャクソンの「にょろにょろ60」(赤)。にょろにょろはシーバス用のルアーだが、トラウト仕様にシングルのバーブレスフックに変えてあった。

 隣りで釣っていたルアーマンが使っていたルアーもスティックベイトタイプだった。つまり細長いタイプのミノー系ルアーに反応しているのだ。

 オレはステックベイトルアーを持っていなかったので、トレブルフック(3本針)だがバーブレスにしてあったミノーに変えた。レギュレーションによるとトレブルフック禁止なのはパインレイクだけなので、ここではOKなのだ。

 軽いミノーを遠投して、たまにトゥイッチしたり、でもほとんどタダ巻きしてしていたら・・・グググッ!

  キタヨー!

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ネットに捕り込んだあと、手を水に浸す。

トラウトを触るには濡れた手でないと、魚体がヤケドのようになるから。
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きれいなレインボー。

やさしくネットごしに掴んで、撮影。

そしてすぐにリリース。
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ルアーはこのミノー。ジャクソン「アスリートF55」。ずっと昔に買ったもの。

トレブルフックだがペンチでバーブをつぶしてある。

 管理釣り場初体験で実釣開始から1時間も経ってないのに釣れてしまった。うれしいけど、あっけない感じもあった。まあ、これだけの数のトラウトが放流してあれば、無反応がほとんどでも中には「やる気のあるヤツ」がいてもおかしくない。

 実はここでアクシデントが発生した。

 オレが釣って捕り込んでいる最中に、kaz氏にもヒットした。しかしオレがネットを借りてしまったせいで、kaz氏はネットが使えない。自分が買ったネットなのに!

 だからkaz氏は仕方なく、釣れたレインボーを陸に上げてデジカメ撮影した。そして、デジカメを胸ポケットに入れ、水辺に前かがみになって魚をリリースした。その時、胸ポケットのデジカメがスルスルっ、ポチャン!

 急いで手を伸ばして、水底のデジカメを拾い上げたが、しっかり水没してしまった。ここですぐに電源ONにするのは良くないので、電池やメモリカードを抜いて乾かすことにした。この後の撮影はオレのデジカメを貸した。胸ポケットにデジカメを入れたkaz氏が悪いのだが、ネットがあればデジカメが落ちることもなかったはずなので、オレも申し訳ない気持ちになった。

 ちなみに翌日、kaz氏からのメールによると、内部まで水浸しで復旧しなかったそうだ。合掌。

 これで3人とも釣れて気楽になった。このあと、いろんなスプーンで試して、それなりに釣果を伸ばした。

 昼メシまでにオレは8-9尾、kaz氏は12尾くらい?nyoは数尾。nyoはすぐに飽きて、車で寝てしまった。晴れて暑くなっても寝ていたので汗だくになったそうな。

以降、午前中に釣れたいろいろ。

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バーブレスフックはバレやすいので慎重にランディングするオレ。
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ネットごしに持ち上げて撮影。

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ネットごしでも触らないように変更して、魚体に気をつかった。
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買ったばかりのスプーンでも釣れた。

ローテーションしてるうちに、このスプーンに反応するヤツに出会うのかな。
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これも慎重にランディング。

すぐ向こうに見えるのは見えトラウト。こんな近くでも悠々と泳いでいる。
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ネットごしでも触らず、ネット自体も地面に置かないように変更して撮影。

すぐに弱ってしまうトラウトには神経使う。
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バーブレスでもトレブルフックは外すときにネットにからんだりトラウトの口を傷つけやすいので、その場でバーブレスのシングルフックに交換した。

頻繁なルアーチェンジが面倒なのでスイベルも付けた。
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かなり慣れてきた。

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これも買ったばかりの軽量スプーン。

スローにユラユラ引いてくることができる。
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もう楽勝な感じ。
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足元近くなのにこれだけ見える。

そのくらい魚が多い。

 反応がなくなってもすぐにルアーチェンジすれば、それなりに釣れる。釣れるのは虹鱒ばかり。「お!これは大きいぞ」と思って計測してみても、35cmとまりだった。

 それにしても、バラしが多い。ちゃんと撮影できるようにランディングできたのは半数くらいだろうか。バスなら8割くらいはバラさずに捕り込めるのに。バーブレスフックということもあるが、一気に抜き上げないで丁寧に寄せてランディングしていたせいだと思う。

 というのも、トラウトたち(釣れたのは虹鱒ばかりだが)は非常にデリケートで、バスと同じように扱えないのだ。バスは釣り上げるときに口の中に親指を入れてアゴを掴めば簡単に持ち上げることができるし、それがダメでも濡れた手でエラの後ろあたりを掴んでも大丈夫だ。

 しかし、トラウトは濡れた手でも触っただけでも、ネットに捕り込んで地面に置くだけでも弱まってしまう。リリースしたあと、しばらく逆さになって浮いてしまうのだ。少し経つと泳いでいくが、バスのようにすぐにバシャッと跳ねて逃げていくような元気さはなくなっている。

 そして、口が弱い。バーブレスのシングルフックでも掛かった場所によってはすぐに傷口から血を流す。トレブルフックを使っていてネットに絡んだりして暴れられると口のあたりが傷だらけになってしまう。

 さらにオレたちがキャストしていたのが、水面から足場まで少し距離があって、手を濡らしたりリリースしたりするのに無理な体勢を強いられる場所だった。おまけにkaz氏が買ったネットの柄が短いのだ。

 だからトラウトたちを扱うのに本当に気を使った。自然の渓流の中へウエーダーを履いて立ち込んでいれば、ほとんど魚体を触ることなくリリースできるのだが、この場所とこの条件では、正直面倒な感じだった。

 この鹿留湖ではかなりの数のトラウトたちが見える。しかし、皮膚病かなにかで体が部分的に白くなっている個体や、死んでプカプカ浮いている個体も見かけられた。途中でボートに乗った管理人らしき人たちが網ですくって周っていたほどだ。そのくらい養殖のトラウトは軟弱で生命力がない生き物なのだろう。

 なんだか、痛々しくなってきた。nyoが早々に釣りを止めて車で寝てしまったのは、眠かったのと飽きたのもあるが、トラウトがすぐに弱くなってしまうのが可哀相に思えたからだそうな。

 オレは北海道でエサ釣りでもルアーでもトラウトを釣った経験があるが、放流ではなく完全なネイティブだったから元気だったし、現地ではキャンプ場にテント泊してたから「晩飯のオカズが釣れた!」って喜んで、持って帰って料理するためにかなり手荒に扱っていた。しかし、こういう管釣でのリリースを前提としたトラウトフィッシングは神経を使う。

 11:00頃、昼メシにした。kaz氏は朝飯を食べずにいたからハラが減って我慢できなくなったらしい。フロントのある建物の中にレストランがあってカレー類が安かったのでそこで食べた。kaz氏は生ビール飲んでた。

 午後からは渓流エリアに向かった。

 自然の川を岩で堰き止めた部分に放流してあるのだ。さらに上流には「ネイティブゾーン」といって自然の渓流そのままのエリアもあった。

 渓流エリアはかなりのクリアウォーターだった。水がきれいな上に水深が浅いので水中がよく見える。トラウトたちの姿はまる見えだった。

 だからルアーを引いて、反応があるかないかが一目瞭然。ここも人が多くて人間の気配が強すぎるのか、もうスレまくってしまったのか、なかなか口を使ってくれないヤツばかり。それでも何度もルアーチェンジして投げまくっていれば、ぽつりぽつりと釣れた。

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渓流の堰き止め?エリア。

浅いし水がきれいなので魚まる見え。
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ファミリーも多く、小さな子供までもルアーフィシング。

全体的にはフライの人が多い。
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スレてるけど、しつこくやっていれば釣れる。
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これはブラウントラウト。

はじめてレインボー以外が釣れた。
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慣れてくるとネットも使わず、この状態で撮影して、すぐにリリースした。
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上あごの黒スプーンが見えるだろうか。
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ネイティブエリアの最上流部。

美しい光景だが、魚はスレまくって釣れない。
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対岸に渡るための板がわたしてある。
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若い女性もオジサンもフライ。

はじめたばかりのようで、あまりうまくキャストできていない。ブームに乗ってはじめたのだろうか。

 午後はレインボーとブラウンを合わせて5尾ほど釣れた。ヤマメが見えたのでぜひ釣りたかったが、狙ってもルアーから逃げてしまうほどスレていて釣れなかった。

 16:30頃、急に雷が鳴って、大粒の雨が降り出した。アングラーたちは一気に帰ったが、中にはカッパを着て続ける人もいた。オレたちはこれを機に納竿とした。1日券は17:00までの制限なのでちょうど良いタイミングだった。

 当初は鹿留の施設内にある500円の風呂に入るつもりだったが、日帰り入浴ガイドブックを見ると付近に良さそうな温泉があることがわかったので、そこに向かうことにした。

 「都留市温泉 芭蕉 月待ちの湯」(公式サイトはこっち)。できたばかりであちこち工事中の広大な公園の一部といった感じ。公営温泉なので、市外の人扱いで700円。

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釣りの帰りはもちろん風呂。

釣れても釣れなくても絶対必須。温泉ならなお良し。

 この温泉施設の駐車場に停めるとkaz氏が「スマンがデジカメ貸してくれ」と言って、自分だけで出発した。実はkaz氏は「KAZsite」の中で「行き止まりの道」というコンテンツを持っていて、あちこちの「行き止まり画像」を撮影してアップしているのだ。旅行好きの彼らしい。オレも旅好きだしドライブ好きなので、彼の嗜好をものすごく理解しているつもりだ。この温泉のすぐ先が県道の行き止まりになっていて、鹿留に来ることが決まってから地図でチェックしてこの県道行き止まりに寄るつもりだったそうな。だからこの温泉をオレが決めたことを喜んだのだった。

 温泉の泉質は単純アルカリ泉で「うすい」感じ。でも施設全体が清潔だし、シャワーの湯量は充分だし、シャワーの湯は出続ける仕組みだし、露天風呂も気持ちいいし、湯が熱すぎないし、ビンの牛乳が売ってたし。オレの日帰り風呂評価としては久々にかなりの高得点をはじき出した。惜しむらくは、休憩所が居酒屋の宴会場と化していて、酔っ払いオヤジがうるさかったり、子供がウザかったりしたところか。まあこれはタイミングが悪かっただけかもなので仕方ない。

 あまりにも騒々しかったのと腹が減った(食堂があったがここでは食べたくない)ので、カーナビで調べて近くのファミレス「夢庵」に行って晩メシ。んで、kaz号と分かれて、中央高速に乗って東京へ向かった。

【今日の釣果-トラウト類】
FISH・ON! 鹿留 鹿留湖…たぶん9尾
 FISH・ON! 鹿留 鹿留川…たぶん5尾
 計…たぶん14尾


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